開店前の飲食店で経営を学ぶ

■8/20

東京ヒルトンホテルで野田政経塾のプレイベントが実施されました。たくさんの方に参加いただいて無事,イベントは成功となりました。野田先生からは,常識に囚われないというテーマでのお話でしたが,僕自身としては,「仕事で自分の個性を出しなさい」という点を心に留めたいと思います。

イベント終了後,場所を移動して懇親会を行いました。懇親会では,このイベントに参加されたある飲食店経営者の方とお話をすることになりました。その方からは,飲食店経営についての理念を聞かされ,自分も弁護士として仕事に対する考え方を話しました。職業は違っても仕事に対する姿勢に通じるところがあり盛り上がってお話をさせていただきました。お店では,実際にその方が理念を持って取り組まれている経営の具体的な内容を見せていただけるということでしたので,今度上京の折にお店にお伺いしたいという話をしました。

■9/21

台風が直撃していましたが,ずぶ濡れになりながら,開店前の午後5時過ぎに,その方が経営する赤坂のお店にお伺いしました。

まず最初は,経営者本人から店舗での取組の説明がありました。

その後は,店舗での徹底して無駄を排除するという仕組みの説明をしていただき,キッチンに入らせていただきました。アルバイトを含む従業員の皆様が交代で,順番に,如何にして無駄を排除されているのかという具体的な取組,工夫の方法を説明されました。冷蔵庫の保管方法,どの場所で作業をするのか,在庫の保管方法,誰が何をすべきかが分かる行程表の作成,食材の加工方法,盛りつけを効率よく行う工夫など,あらゆる面で合理化を図って工夫を重ねているということでした。従業員全員が無駄の排除に取り組んでいますが,新入の従業員が主にそれを担当しているということでした。変な癖,慣れがないから適しているのかと尋ねると,その通りということでした。そして,当然ですが,新入の従業員の意見であっても,客観的に良い意見であれば,自然にそれが採用されています。合理化・効率化というと従業員にやらされているという感覚がありそうですが,従業員の方々は,楽しんで意見を出し,そこに達成感を感じながら取り組んでいました。

次に,他方で顧客の満足を上げるための工夫についての説明を受けました。顧客の声を拾うというのは経営上普通のことですが,それを行うための具体的な仕組み・工夫があるということでした。実際にその資料を見せていただきましたが,顧客の要望やクレームに至らない些細な感想まで,かなりの量の資料が収集されていました。この作業についても,勿論社長がやるのではなくて現場の従業員によるものですが,手書きのその資料を見る限り,従業員が楽しんで作業をしているように感じました。彼からは,「従業員に対して,「やれ」とか「何故できないの」と言うのではなく,やれるように仕組みを用意するのが自分の仕事である」という話がありました。

今回の震災が飲食業に与える負の影響は大きいと思われますが,こちらの店舗は,前年より売上を伸ばしており,震災後に過去最高の売上を記録しているとのことでした。

この店舗の取組については,結局のところ,合理化・効率化によって従業員に対しては労働時間や給与面で満足を高め(しかも従業員は楽しそうに仕事をされていました),ひいては顧客に与えられる価値を高めて満足度を上げることにより,飲食店としての本来の価値を高めて収益力を上げる,というまさに正統な基本的な経営手法でした。ただ,このような当たり前の本来やるべき当然のことを,他の誰もがやっていないほどに地道に工夫を重ねてやり続けるというのは,大切でありながら決して簡単にはできないことだと思います。

実際にお店のお料理とお酒もおいしくいただきました。弁護士で飲食店に何かを学びに来るという人は初めてです,と言われた。

職種は違いますが,経営に対する考え方について大変共感出来て,学ぶところがたくさんありました。

お店を後にする時も,店舗の従業員の方々が輝いて見えました。

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong> <img localsrc="" alt="">